ビベンディ、ユニバーサル・ミュージックのIPO計画

仏メディア・通信大手のビベンディは13日、傘下の音楽会社ユニバーサル・ミュージック・グループ(UMG)の新規株式公開(IPO)を計画していることを明らかにした。UMGの業績が好調なためで、早ければ2023年初めに実施する予定だ。

UMGはビベンディにとって最大のドル箱で、19年の売上高の45%、利払い前・税引き前・減価償却前利益(EBITA)の73%を稼ぎ出した。

ビベンディは17年にUMGのIPOを実施する計画だったが断念し、18年には株式の最大50%を「戦略的なパートナー」に売却する方針を打ち出した。これに伴い、19年12月にUMGの株式10%を中国のインターネットサービス大手テンセント(騰訊控股)を中心とするコンソーシアム(企業連合)に売却することで合意したと発表していた。

再びIPOに乗り出したのは、UMGの業績が音楽の有料ストリーミング配信サービスが普及していることに支えられ、急速に上向いていることが大きい。19年のEBITAは定率為替ベースで前年比22%増の11億2,000万ユーロに拡大した。

ビベンディのアルノー・ド・プイフォンテーヌ最高経営責任者(CEO)は、出資が決まったテンセントがUMGの中国事業強化に協力することで、中国での音楽著作権侵害の懸念が弱まり、投資家の信頼を得ることができることも方針転換の理由に挙げた。

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