英金融大手HSBCホールディングスは18日、経営改善に向けた大規模なリストラ計画を発表した。投資銀行部門の縮小などにより、2022年末までに1,000億ドル規模の資産圧縮を進め、年間コストを45億ドル削減する。
HSBCは収益の大半をアジア事業に依存している。19年は香港の反政府デモ激化や、欧州の投資銀行部門などの減損処理が経営を大きく圧迫し、税引き前利益は前年を3割下回る133億5,000万ドルに縮小した。新型コロナウイルスによる肺炎の感染が中国を中心に拡大し、経営がさらに悪化するのが避けられないことから、リストラに踏み切る。
投資銀行部門ではリスク調整済資産を米国で45%、欧州で35%圧縮する。また、赤字が続く米国事業では、224支店のうち3割を閉鎖する。
このほか、組織を簡素化するため、国際プライベートバンキング部門とリテール銀行部門、富裕層向け資産運用部門を統合することなども打ち出した。
これらによって23万5,000人に上る従業員のうち3万5,000人を向こう3年間で削減する計画だ。