ノキアのCEO交代、5Gでの巻き返しへ

欧州通信機器大手のノキア(フィンランド)は2日、ラジーブ・スリ最高経営責任者(CEO)が8月末に退任すると発表した。フィンランド電力大手フォータムのCEOを務めるペッカ・ルンドマルク氏が9月1日付で新CEOに就任する。次世代移動通信規格「5G」関連事業で出遅れる中、ノキアの黄金時代を築くのに貢献したルンドマルク氏をトップに迎え、巻き返しを図る狙いがあるとみられる。

ノキアをめぐっては、欧州の5G関連事業で中国の華為技術(ファーウェイ)の独走を招き、ライバルのエリクソン(スウェーデン)にも先行され、このところ株価が低迷していることから、株主のスリCEOへの批判が強まっていた。

後任のルンドマルク氏は、1990年から2000年にノキアに在籍し、ネットワーク部門の副社長などを務めた経歴を持つ。同期間中にノキアは携帯電話端末で世界1位に躍り出た。ノキアはリスト・シラスマ会長も4月の年次株主総会で退任し、サリ・バルダウフ副会長が新会長に就任することが決定済み。バルダウフ氏は98~05年にノキアのネットワーク部門を率いたが、ルンドマルク氏と同じく同社を離れ、フォータムの取締役会会長を務めていた時期がある。上司と部下の立場でノキアの黄金期を支えた両氏が、再び手を握り、5G戦略を軸とする経営改革に乗り出すことになる。

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