欧州での特許申請、19年も過去最高更新

欧州特許庁(EPO)は12日、2019年の特許出願件数が前年比4%増の18万1,000件となり、3年連続で過去最高を更新したと発表した。経済のデジタル化が加速していることを受けて、情報通信技術分野の申請が大きく拡大。これを反映して両分野に強い中韓メーカーがトップ3を独占した。

1位となったのは中国通信技術大手の華為技術で、前年比41.8%増の3,524件と大幅に拡大した。18年はシーメンスに抜かれて2位に転落したものの、再びトップに返り咲いた。1位となるのは17年に次いで2度目。2位はサムスン電子(16.7%増の2,858件)、3位はLG(18.6%増の2,817件)と韓国の電機2社が続いた。

欧州勢の最高はシーメンスで5位にとどまった。5.1%増の2,619件に拡大したにもかかわらず首位を守れなかった。

日本メーカーではソニー(18.3%増の1,512件)の8位が最高だった。このほか、パナソニック(18位)、日立(19位)、キヤノン(21位)、三菱電機(23位)、トヨタ自動車(36位)、東芝(49位)、三菱重工業(50位)が50位以内に入っている。

特許出願が最も多かった分野はデジタル通信で、前年比19.6%増の1万4,175件へと拡大。06年以来13年ぶりにトップとなった。5G通信がけん引車となった。コンピューター技術も10.2%増の1万2,774件となり、3位に付けている。

デジタル通信分野では中国企業の申請が64.6%増と急拡大した。韓国と米国もそれぞれ36.1%、14.6%増えている。

コンピューター技術分野が大きく増えたのは人工知能(AI)の重要性が高まっているためだ。中国からの出願が18.7%、米国からが同13.6%拡大した。同分野に占める国別のシェアでは米国が約40%で最も多く、これに中国が30%強で続いた。

特許出願の国別ランキングをみると、1位はこれまでに引き続き米国で25%に上った。2位はドイツ(15%)、3位は日本(12%)で、トップ3の入れ替えはなかった。4位は中国(7%)、5位はフランス(6%)、6位は韓国(5%)だった。

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