イタリア政府は6日、新型コロナウイルスの感染拡大に関連する新たな経済対策を決めた。銀行の融資を公的に保証することで貸し倒れリスクを軽減し、4,000億ユーロ以上の市中に資金が出回るようにする。
追加経済対策は、同日の閣議で承認された緊急法令に盛り込まれたもの。銀行の法人向け融資の90%を政府が保証する。融資額が2万5,000ユーロを下回る小口融資に関しては、保証が100%となる。さらに、公的金融機関の預託貸付公庫(CDP)と輸出信用保険機関が年末まで保証を拡大する。これらによって4,000億ユーロが流通すると見込んでいる。
伊政府は3月、新型コロナ感染拡大を受けた経済活動の停滞に対応するため、総額325億ユーロ規模の経済対策を発表したばかり。EUが企業への公的支援を制限するルールを一時的に緩和したことから、追加対策に踏み切った。これまでの対策と合わせた融資拡大効果は7,500億ユーロを超えると見積もっている。コンテ首相は「本物の火力だ。イタリア史上で、これほど強力な金融支援が導入された例は思いつかない」と胸を張った。
コンテ首相は同日、新型コロナ感染で所得が減った世帯の生活支援を主眼とする追加対策を月内に決める方針も打ち出した。