ポーランド中央銀行は8日、主要政策金利である7日物レファレンス金利を0.5ポイント引き下げ、史上最低の0.5%に設定した。利下げは2会合連続。新型コロナウイルスの感染拡大による景気低迷に対処するため、追加の金融緩和に踏み切った。ロンバート金利は1.5%から1%に、公定歩合(再割引率)は0.75%から0.55%に、預金金利は0.5%から0%にそれぞれ引き下げた。
今回の利下げは政府によるコロナ危機対策のプログラムの一環となる。政府は同日、財政出動と信用保証、中銀による施策を組み合わせた総額3,300億ズロチ(726億5,800万ユーロ)に上る支援パッケージを発表した。モラヴィエツキ首相はグラピンスキー中銀総裁との合同記者会見で、「我々は雇用を守るための戦争をしている」と発言。グラピンスキー総裁も「必要なことは何でもする」と応じた。
同国の3月インフレ率は4.6%となり、2011年11月以来の最高値を記録した先月(4.7%)から0.1ポイント低下した。中銀はコロナウイルスの経済への影響が今後本格化する見込みであることと、原油価格が大きく下落していることから、物価上昇率が中銀目標を下回るのは確実と判断し、追加利下げに踏み切った。