トルコ中央銀行は22日、主要政策金利である7日物レポ金利を1ポイント引き下げ、8.75%に設定した。利下げは8会合連続。新型コロナウイルスの蔓延で経済の失速が懸念される一方、インフレリスクの後退も見込まれることから、市場予測(利下げ幅0.5ポイント)を超える大幅な追加利下げに踏み切った。
中銀は声明で、新型コロナの蔓延が世界の成長見通しを著しく弱めていると指摘。トルコ経済へのダメージを避けるためには、金融市場の健全な機能の維持とクレジット・チャネル(金融政策の波及経路)の強化、企業のキャッシュフローの確保が重要になるとの見方を示した。
同国の昨年10~12月期の国内総生産(GDP)伸び率は6%となり、2四半期連続のプラス成長を記録。成長率は今年1月と2月にも強い上昇傾向を示していたが、3月半ばから新型コロナ流行の影響が特に観光業を中心に出始めており、景気の低迷が鮮明になっている。
一方、インフレ率は11月から4カ月連続で上昇し、2月には12.4%に達したが、3月には11.9%まで縮小した。中銀は通貨リラ安が進んでいるものの、原油価格の下落や経済活動の停滞により、年末まで物価上昇の鈍化が進むとみている。
今後の方針について中銀は、低インフレを維持することが景気回復にとり重要だとしたうえで、予想されるディスインフレの傾向と一致させるため引き続き慎重な金融政策をとるとしている。
中銀は昨年7月、2年10カ月ぶりの利下げを実施し、政策金利を24%から19.75%に引き下げた。その後も先月までに6回の追加利下げを実施。7月から今月までの利下げ幅の合計は15.25ポイントに達した。