英のコロナ死者数が世界3番目に、集計に院外死追加で

英政府は4月29日、新型コロナウイルス感染による国内の死者が2万6,097人に達したと発表した。これまでは病院での死者だけを対象としていたが、介護施設など院外での死者も集計に加えた結果、前日の公式発表の2万1,678人から一気に増加。米国、イタリアに次ぐ世界3番目の規模となった。

これまで英国の死者は米国、イタリア、スペイン、フランスに次ぐ5番目だった。病院外での死者も加える方式に変更したことで、スペイン、フランスを上回り、欧州2番目の規模に達した。

英政府は当初、新型コロナ対策として、国民の多くが徐々に感染し、免疫をつけることで終息させる「集団免疫」戦略を模索していた。このため、イタリアなどと比べて「ロックダウン」と称される外出制限などの実施が遅れた。死者数が増えたことで、政府への批判が高まりそうだ。

公表された病院外での死者は、生前に陽性と判定されていた人に限られており、実数はさらに多い可能性がある。現状ではイタリアが英国より先に感染がピークを超えるとの見方が有力で、英国の死者数がイタリアを抜く可能性も指摘されている。

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