英中銀、新型コロナ対応で量的緩和拡大

イングランド銀行(英中央銀行)は18日、新型コロナウイルス感染拡大による景気の落ち込みに対応するため、量的金融緩和を拡大すると発表した。国債や社債の買い取り枠を1,000億ポンド増やし、総額7,450億ポンドとする。政策金利は過去最低の0.1%に据え置く。

17日まで開いた金融政策委員会で、政策委員9人のうち8人が債権買い取り枠の拡大に賛成した。チーフエコノミストのハルデーン委員は景気回復が想定より早いと指摘し、据え置きを主張した。政策金利については全会一致で据え置きを決定した。

ベイリー総裁は記者会見で、新型コロナ感染拡大防止のための制限措置が段階的に緩和される中、英経済は中銀が1カ月前に示した予想を上回るペースで回復していると指摘。「経済活動は戻りつつある」としたうえで、コロナ禍による異例の事態はなお続いており、特に労働市場の改善には時間がかかるとの見通しを示した。マイナス金利政策については「排除はしていないが導入は切迫していない」と述べ、引き続き慎重に導入の是非を検討する考えを示した。

英中銀は3月、新型コロナへの対応として政策金利を2度にわたり0.75%から0.1%に引き下げるとともに、債権の買い取り枠を2.000億ポンド増やし、総額6,450億ポンドに拡大。現在のペースでは7月にも上限に達する見通しだった。今後は購入ペースを減速する方針で、年末頃に新たな上限に達するとの見方を示している。

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