EU統計局ユーロスタットが2日に発表したユーロ圏の5月の失業率は7.4%となり、前月の7.3%から0.1ポイント上昇した。失業率の悪化は2カ月連続。新型コロナウイルス感染拡大の影響が雇用にも及んできた。(表参照)
EU27カ国ベースの失業率は前月を0.1ポイント上回る6.7%。主要国はスペインが14.5%、フランスが8.1%、イタリアが7.8%、ドイツが3.9%となっている。
ユーロ圏では緩やかな景気回復に伴って雇用の改善が続き、3月には7.1%まで低下していた。しかし、新型コロナの影響で悪化に転じている。それでも、経済の大きな落ち込みと比べて失業率の上昇が小幅にとどまっているのは、各国が雇用助成制度を導入していることや、失業しながらも求職活動をしていない人が多く、完全失業者として勘定されていないことも背景にある。
ただ、雇用助成が打ち切られると、一気に悪化しかねない。とくにユーロ圏では25歳以下の若者の失業率が前月を0.3ポイント上回る16%に拡大。男性の失業率が横ばいの7.0%だったのに対して、女性は0.2ポイント悪化の7.9%と、男性を大きく上回っており、EUは警戒を強めている。