英グラクソ、新型コロナワクチン開発で田辺三菱子会社とも提携

英製薬大手グラクソ・スミスクライン(GSK)は7日、新型コロナウイルスのワクチン開発で、田辺三菱製薬のカナダ子会社メディカゴと提携したと発表した。GSKは仏サノフィなどとも同ワクチン開発で提携しているが、ウイルス様粒子(VLP)製造技術を用いたワクチンに強みを持つメディカゴとも組むことで、開発成功のチャンスを広げる。

VLPはウイルスと同じ外部構造を持つが、遺伝子情報がないため体内でウイルスが増殖せず、安全性に優れたワクチン技術とされる。メディカゴは短期間で大量生産が可能な植物由来のVLP製造技術を持ち、これを活用したインフルエンザのワクチンの開発に成功している。

今回の提携では、メディカゴが新型コロナウイルス感染症に対応するVLPを製造し、これにGSKが提供するアジュバント(免疫反応を高めるためワクチンと一緒に投与される物質)を添加したワクチンの開発に取り組む。7月中旬の臨床試験開始、2021年上期の提供開始を目指す。21年末までに約1億回分を生産できる体制を整える計画だ。

上部へスクロール