英国が5Gでファーウェイ排除へ、中国側は関係悪化と警告

英政府は次世代移動通信システム「5G」から中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の製品を排除する方針を固めた。現地メディアが6日、一斉に報じた。ブルームバーグ通信によると、14日に開催予定の国家安全保障会議(NSC)で正式決定される可能性がある。

ジョンソン政権は1月、5G通信網へのファーウェイの参入を限定的に容認することを決めた。同社製品を完全に排除した場合、5G通信網の整備に深刻な遅れが生じるとの判断によるもので、ネットワークの中核部分のほか、核関連施設や軍事施設など機密性の高い場所からは排除するほか、基地局など非中核部分への参入についても全体の35%を上限とする方針を打ち出した。

しかし、米商務省が5月にファーウェイに対する制裁を強化したことや、新型コロナウイルス感染拡大への対応をめぐり中国に対する不信感が増したことなどを背景に、政府内で方針転換を求める声が高まっていた。報道によると、ファーウェイ製品の安全性を再調査した国家サイバーセキュリティセンター(NCSC)は、米国の制裁強化によって同社は必要な部品を調達できなくなり、セキュリティ水準が著しく低下して安全保障上のリスクがコントロール不可能になる恐れがあると結論づけたもようだ。

ファーウェイ英国法人のブラウン会長は8日、ロンドンで開催されたロイター通信主催のシンポジウムで登壇し、英政府が米国の求めに応じてファーウェイ製品を排除した場合、「英国は長年にわたる中国との良好な関係を捨て去ることになる」とけん制。劉暁明・駐英大使も記者会見で「われわれはあなた方と友人になりたいが、中国を敵対的なパートナーとみなすのであれば、英国は報いを受けることになる」と警告した。

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