米メディア大手リバティ・グローバルは12日、スイスの携帯電話サービス大手サンライズを買収することで合意したと発表した。買収額は68億スイスフラン(約7,970億円)。リバティはスイスでの事業基盤を大きく強化し、最大手スイスコムを追撃する。
リバティはサンライズの全株式を1株当たり110フランで取得する。同価格は前日の終値に28%を上乗せした水準となる。
同社は欧州通信市場の大きな成長が見込めないなどとして、一時は欧州事業の売却を進め、ドイツ、チェコ、ハンガリー、ルーマニア、オーストリア事業を手放した。スイスでは2019年に現地法人UPCをサンライズに売却する計画が浮上したが、サンライズ株主の反対で実現しなかった経緯がある。
サンライズはスイスコムに次ぐ国内2位の携帯電話サービス会社。リバティはUPCとサンライズを統合することで携帯電話、ブロードバンドサービス、有料テレビの各分野で約30%のシェアを確保し、総合通信企業としてスイスコムに迫る。
リバティは5月、スペイン通信最大手のテレフォニカと英国事業を統合することで合意。対等出資の合弁会社を設立し、テレフォニカ傘下の携帯電話サービス大手O2と、リバティの子会社でケーブルテレビ(CATV)、ブロードバンドサービスを手がけるヴァージン・メディアを移管することになっている。