欧州委員会は8月31日、世界保健機関(WHO)が主導する新型コロナウイルスのワクチンを世界中に公平に分配するための枠組み「コバックス・ファシリティー」に協力し、4億ユーロを拠出すると発表した。また、EUが同枠組みへの正式参加を検討していることも明らかにした。
コバックスは新型コロナのワクチンの開発、製造費用を参加国が共同で負担し、完成したワクチンを各国に公平に行き渡るようにする枠組み。WHOと途上国でのワクチン接種を促進する国際的組織「GAVIワクチンアライアンス」、世界の連携によるワクチンの研究開発に取り組む「感染症流行対策イノベーション連合」が4月に立ち上げた。2021年末までに20億回分のワクチンを共同購入することを目指している。
WHOのテドロス事務局長は8月24日、172カ国がコバックス参加を表明したことを明らかにしていた。31日は参加の意思があるかどうかを伝える期限で、ドイツが新たに正式参加を決めた。
EUは4億ユーロの拠出と同時に、参加の意思があることを確認したが、正式に参加するかどうかは数週間以内に決めるとして、明言を避けた。9月18日が参加表明の期限となる。
テドロス事務局長は記者会見で、ドイツ以外のEU加盟国と参加に向けた交渉を進めていることを明らかにした上で、コロナ禍終息には「連帯」が必要として、EU全体としての参加の実現も模索していく意向を示した。