H&Mが店舗の5%を閉鎖、ネット通販拡大で

欧州衣料小売り大手のヘネス・アンド・マウリッツ(=H&M、スウェーデン)は1日、世界中の店舗のうち約250店を2021年に閉鎖すると発表した。ネット通販拡大戦略に沿ったもので、全体の5%に相当する店舗が姿を消す。

H&Mは積極的な出店で業績を伸ばしてきたが、ネット通販を利用する顧客が増えているため、数年前から不採算店を閉鎖し、新規出店を抑える方針に切り替えている。新型コロナウイルスの感染拡大でネット通販利用に拍車がかかったこともあり、同戦略を加速させる。閉鎖する店舗の一部はネット通販用の物流センターとして活用する計画だ。

同日に発表した20年6~8月期(第3四半期)の売上高は前年同期比16%減の508億スウェーデンクローナ(約5,993億円)だったが、下げ幅は前期から縮小。前期に50億スウェーデンクローナの赤字だった最終損益は、18億ユーロの黒字に転じた。新型コロナ感染拡大に伴って一時閉鎖されていた店舗の営業再開が進んだことで、業績が回復した。9月の売上高は5%減と小幅の減収にとどまっており、ヘルマーソン最高経営責任者(CEO)は「回復が予想を上回るペースで進んでいる」と述べた。

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