欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/9/15

EUその他

セメックスによるホルシムのスペイン事業買収、欧州委が承認

この記事の要約

欧州委員会は9日、メキシコのセメント大手セメックスがスイス同業ホルシムのスペイン事業を買収する計画を承認したと発表した。同買収は両社が合意した資産交換の一部。今回の欧州委の決定によって、資産交換関連の全取引が関係当局から […]

欧州委員会は9日、メキシコのセメント大手セメックスがスイス同業ホルシムのスペイン事業を買収する計画を承認したと発表した。同買収は両社が合意した資産交換の一部。今回の欧州委の決定によって、資産交換関連の全取引が関係当局から承認されたことになる。

ホルシムとセメックスは2012年8月、建設不況で経営環境が悪化していることを受けて、保有する資産の最適化とコスト削減を目的に、両社が欧州に持つ一部の資産の交換や統合で合意していた。ホルシムがセメックスのドイツにあるセメント工場などの資産を取得し、代わりにセメックスはホルシムのチェコ事業を取得。さらに両社はスペイン事業を統合するが、誕生する新会社の出資比率はセメックスが75%となるため、実質的にセメックスが買収する形となる。一連の取引にホルシムはセメックスに7,000万ユーロを支払う。

チェコ関連の取引は、同国の競争当局が今年3月に承認。ドイツでの取引については、欧州委が6月に承認していた。

スペイン事業の取引に関しては、欧州委は買収によってセメックスの同国セメント市場でのシェアが高まり、健全な競争が阻害される恐れがあるとして、初期調査での承認を見送り、4月から本格的な調査を開始していた。しかし、最終的に同市場では競合企業との厳しい競争が維持されるとして、無条件で承認した。