スウェーデンの家具大手イケアは2日、首都ストックホルム近郊に中古家具を専門に扱う店舗をオープンさせる。2030年までに循環型ビジネスに転換する目標の達成に向けた取り組みの一環。6カ月後に同プロジェクトの評価を行い、他の市場で同様の店舗を展開するかどうか判断する。
出店場所はストックホルム西方180キロのエスキルストゥーナにあるリサイクル品専門のショッピングモール「リトゥーナ(ReTuna)」。地元自治体のリサイクルセンターから引き取った家具を隣接する工場で修理・再生・再塗装し、低価格で販売する。
イケアは30年までに循環型ビジネスに転換するとの目標を掲げ、再生可能な素材やリサイクル素材のみを使用した製品づくりを推進するとともに、製品の寿命を延ばすための取り組みとして、下取りや再販サービスの試験運用などを進めている。
イケア・スウェーデンのサステナビリティ担当責任者ヨナス・カーレド氏は「顧客が商品を長持ちさせるためのサポートをすることがプロジェクトの狙いだ。リサイクルとリユースに特化したショッピングモール内にあるこの店舗は、イケアにとって中古品の取引や買い物客の引きつけ方について学習する場になるだろう」と述べた。
イケアの親会社で新店舗のオーナーでもあるインカグループは先月、年末商戦がスタートする「ブラックフライデー」に合わせ、27カ国で中古家具の買い取り・販売キャンペーンを実施すると発表した。「バイ・バック・フライデー」と名付けられたキャンペーンでは、商品券と引き換えにイケアの中古家具を買い取り、低価格で販売する仕組み。再販できないものはリサイクルしたり、慈善団体などに寄付する方針を示している。