2020/11/9

EU情報

21年のユーロ圏成長率、4.2%に下方修正=欧州委

この記事の要約

欧州委員会は5日に発表した秋季経済予測で、ユーロ圏の2020年の域内総生産(GDP)実質伸び率をマイナス7.8%とし、前回(7月)の同8.7%から0.9ポイント上方修正した。しかし、欧州で新型コロナウイルスの感染が再拡大 […]

欧州委員会は5日に発表した秋季経済予測で、ユーロ圏の2020年の域内総生産(GDP)実質伸び率をマイナス7.8%とし、前回(7月)の同8.7%から0.9ポイント上方修正した。しかし、欧州で新型コロナウイルスの感染が再拡大していることから、21年についてはプラス6.1%から同4.2%に下方修正した。(表参照)

20年の成長率の上方修正は、7~9月期の域内総生産(GDP、速報値)伸び率が前期比12.7%増と急回復したことを受けたもの。EU27カ国ベースでも前回のマイナス8.3%から同7.4%に上方修正した。

ただ、7~9月期のV字回復は、各国が新型コロナ対策として実施していた経済・社会活動の制限を緩和したほか、前期に11.8%減と大きく落ち込んだ反動によるものだ。欧州委は今後について、独仏がロックダウン(都市封鎖)を再開するなど、大半の国が制限を強化していることから、ユーロ圏では10~12月期に前期比0.1%のマイナス成長になると予測。21年はプラス成長に復帰するものの、回復のペースは当初の予想より鈍いとして、下方修正した。EUに関してもプラス5.8%から同4.1%に引き下げた。

22年の予想成長率はユーロ圏、EUとも3.0%。同年までは制限措置が緩やかながらも継続され、GDPがコロナ禍前の水準に回復するのは23年以降になると予想している。

欧州委は今回の予測を22年までは一定の程度の制限措置が続き、EUと英国の自由貿易協定(FTA)が年内に締結されず、21年から双方の貿易で関税が復活するというシナリオを想定して算出した。

ユーロ圏の失業率については、各国が導入している雇用支援策によって急激な悪化は避けられるとしながらも、20年は8.3%と、19年の7.5%を大きく上回ると予想。21年には9.4%まで上昇し、22年も8.9%と高水準にとどまるとみている。

インフレ率に関しては20年が0.3%、21年が1.1%、22年が1.3%と予想。デフレは回避するものの、原油安もあって物価の基調は弱く、欧州中央銀行(ECB)が目標とする2%を大幅に割り込む状況が続く見込みだ。