伊電子決済サービス大手ネクシ、北欧企業買収で協議

イタリアの電子決済サービス最大手ネクシは2日、北欧の同業ネッツの買収に向けた交渉を行っていることを明らかにした。ネクシは10月初めに伊同業SIAと合併で合意したばかり。ネッツ買収が実現すると、欧州規模で事業基盤を大きく強化する。

ネッツは米プライベートエクイティー(PE、未公開株)ファンドのヘルマン・アンド・フリードマンの傘下にある企業。ネクシは株式交換方式で買収する方向で協議を進めている。買収額は72億ユーロ程度に上る見通しだ。

ネクシは10月2日、SIAを事実上買収する形で、同社と合併すると発表していた。2021年夏までの取引完了を予定している。

ネクシは国内での事業展開に集中している。SIAは海外事業の売上高が全体の3分の1を占め、合併で誕生する新会社は国内電子決済サービス市場で約7割のシェアを持つ最大手となるほか、提携する事業者の規模では欧州最大手に浮上する。

ネッツはデンマークを本拠とする。北欧の電子決済サービス市場で大手となっているほか、中東欧にも進出している。

急成長する欧州の電子決済サービス市場では統合の動きが活発化しており、フランスでは大手のワールドラインがアンジェニコを78億ユーロで買収することで2月に合意していた。ネクシは欧州事業を一層強化するため、SIAとの合併完了に先立って、ネッツ買収に乗り出した。

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