東芝エネルギーシステムズ、独の仮想発電所と合弁

東芝傘下の東芝エネルギーシステムズは4日、仮想発電所(VPP)運営の有力企業である独ネクストクラフトベルケと共同で日本に合弁会社を設立すると発表した。再生可能エネルギー電力の助成制度が市場原理を導入した方式に転換することを踏まえ、発電業者や需要家、発電事業者を束ねるアグリゲーター向けに支援サービスを提供していく。

11月中にも新会社東芝ネクストクラフトベルケを川崎に設立する。出資比率は東芝が51%、ネクストが49%。まずは日本国内で事業を展開する。将来の海外進出を視野に入れている。

日本ではこれまで、再生エネを固定価格で買い取る制度(フィード・イン・タリフ=FIT)が採用されてきた。FITでは一定価格で電力を販売できるため、価格変動のリスクがなく、再生エネの普及に貢献してきた。

しかし、同方式では再生エネの利用が増えるにつれて国民や企業など需要家の負担が重くなることから、今後は電力卸売市場価格に一定の割増額を上乗せした方式(フィード・イン・プレミアム=FIP)に移行することになっている。電力卸売価格は常に変動することから、売買のタイミングによって発電事業者が得る収入は大きく異なってくる。また、発電事業者や小売電気事業者は30分単位で発電計画と発電実績、需要計画と需要実績を一致させるように調整することを義務付けられる。

新会社はFIP化に伴うこれらの課題に直面する事業者向けに支援を行い、顧客企業が利益を拡大できるようにする考えだ。

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