スペイン大手銀BBVA、米事業を売却

スペイン2位銀行のバンコ・ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア(BBVA)は16日、米国事業を同国の大手地銀PNCに116億ドルで売却することで合意したと発表した。一方、同日にはスペイン同業サバデルと合併に向けた協議を行っていることも明らかにした。成長が期待できない米国市場から撤退し、本国の事業を強化する格好となる。

PNCはピッツバーグを拠点とする地銀。BBVAがアリゾナ、テキサス、カリフォルニア、フロリダなど7州で運営する637支店を取得することで事業を拡大し、資産額ベースで米5位の銀行となる。

BBVAの米国事業は苦戦が続き、大手銀行に太刀打ちできない状況となっている。消息筋がロイター通信に明らかにしたところによると、当初はPNCと提携について協議していたが、米上院選で共和党が過半数を確保する見通しとなったことで金融規制改革が進まず、経営環境が好転しないと判断し、売却に踏み切ったという。

合併を計画しているサバデルは時価総額が23億ユーロの中堅銀行。英金融大手のTSB銀行を傘下に持つ。スペインでは金融危機に直面した2008年から銀行の統合が進んでおり、9月に大手銀行のカイシャバンクとバンキアが経営統合で合意したばかり。カイシャバンクが事実上、バンキアを買収する形で、統合後の新銀行の名前はカイシャバンクとなる。誕生する新銀行は国内金融市場で最大手に浮上する。BBVAはサバデルとの統合によって、カイシャバンクと現在の最大手バンコ・サンタンデールを追撃する体制を強化する。

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