欧州委員会は12月21日、中国製のスチール製ネジなど締め具に対する反ダンピング(不当廉売)調査を開始すると発表した。EUの業界団体の要請に応じたもので、調査を進めて反ダンピング措置発動の可否を判断する。
業界団体の欧州工業用締め具協会(EIFI)は11月6日、中国製のスチール製ネジ、ボルト、ワッシャー(座金)が不当な安価でEUに流入し、域内でのシェアを伸ばして現地の事業者を圧迫しているとして、欧州委に苦情を申し立てていた。これを受けて、欧州委は反ダンピングの開始を決めた。調査期間は13カ月。途中で暫定的な反ダンピング措置を適用することができる。
一方、欧州委は反ダンピング調査の対象となっている中国製の光ファイバケーブルについて、反補助金調査も開始すると発表した。欧州委は20年9月、中国製の光ファイバケーブルのうち、伝送損失が低く、長距離伝送に適したシングルモードの光ファイバケーブルを対象に、反ダンピング調査を開始していた。中国政府による不当な補助金交付、税制上の優遇措置がダンピングの背景にある疑いを強め、並行して調査を進める。