高級ブランド最大手の仏LVMHモエヘネシー・ルイ・ヴィトンが米宝飾品大手ティファニーを買収する計画が、ティファニーが12月30日に開いた臨時株主総会で承認された。これを受けて1月7日に買収手続きが完了した。
LVMHは19年11月、ティファニーを162億ドルで買収することで合意した。しかし、新型コロナウイルス感染拡大が高級ブランド業界を直撃する中、20年9月に買収を撤回すると発表。合意の履行をめぐる訴訟合戦に発展した。
最終的に両社は10月、買収額を158億ドルに引き下げることで合意し、ティファニーの株主による承認を経て買収が実現することになっていた。
LVMHはルイ・ヴィトン、クリスチャン・ディオール、フェンディ、ジバンシーといった高級ブランドや高級時計メーカーのタグホイヤーなどを傘下に持つ。宝飾品ではブルガリやショーメといったブランドがあるが、売上高に占める割合は低い。ティファニー買収によって高級宝飾品市場でのシェアが拡大し、カルティエなどを展開するスイスのリシュモンを抜いて業界最大手となる。一方、ティファニーはLVMHの販売網を通じ、世界規模で売り上げ拡大を図る。