ノルウェー道路交通情報評議会(OFV)が5日発表した2020年の新車販売に関する統計によると、乗用車では電気自動車(EV)のシェアが54%に上り、初めて通年で過半に達した。ノルウェーは25年までに全ての乗用車とバンの新車について、温室効果ガスを排出しない「ゼロエミッション車」にすることを目指している。同国では税制上の優遇措置などによってEVの普及が本格化しており、OFVは25年の目標達成に向けて「確実に前進している」と指摘した。
OFVによると、20年のEV販売台数は前年比27%増の7万6,804台で、シェアは前年から12ポイント上昇した。プラグインハイブリッド車(PHV)のシェアは20%だった。一方、ガソリン車とディーゼル車はそれぞれ8%、9%にとどまった。15年には両者を合わせたシェアが70%を超えていた。
12月の新EV販売台数は前年同月のほぼ2倍にあたる1万3,718台を記録し、シェアは67%と13ポイント上昇。PHVを合わせたシェアは87%に達した。
20年に販売台数が最も多かった車種は独アウディの「e-tron」で9,227台だった。米テスラの「モデル3」が7,770台で2位につけ、3位は独フォルクスワーゲン(VW)「ID.3」(7,754台)、4位は日産自動車「リーフ」(5,221台)と、EVが上位を独占した。
今年はテスラの中型SUV「モデルY」のほか、米フォードや独BMWなどの電動SUVが相次いでノルウェー市場に投入される予定で、EVの普及が一段と加速する見通し。ノルウェー電気自動車協会は21年にEVのシェアが65%を超えると予測している。