EU統計局ユーロスタットが1日に発表したユーロ圏の2020年12月の失業率は8.3%で、前月と同水準だった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、前年同月の7.4%と比べると大きく上昇したが、各国政府の雇用助成策に支えられ、大幅な悪化を抑えられている状況だ。(表参照)
EU27カ国ベースの失業率も前月と同水準の7.5%。主要国はドイツが4.6%、フランスが8.9%、イタリアが9.0%、スペインが16.2%だった。同月の失業者数はユーロ圏が前月を5万5,000人上回る1,367万1,000人、EUが同6万7,000人増の1,600万人と推定されている。
EUでは12月に多くの国で新型コロナウイルス感染が再拡大し、ロックダウン(都市封鎖)再開など外出・営業制限が強化された。それでも失業率が横ばいだったのは雇用支援に加えて、失業中であるものの外出制限を受けて求職活動をしていない人が完全失業者として勘定されていないことも要因で、実際の失業者が統計を上回っているのは確実だ。