3月のユーロ圏インフレ率、1.3%に拡大

EU統計局ユーロスタットが3月31日に発表したユーロ圏の同月のインフレ率(速報値)は前年同月比1.3%となり、前月の0.9%を0.4ポイント上回った。インフレ率がプラスとなるのは3カ月連続。コロナ禍が深刻化してから最高の水準に達した。(表参照)

ユーロ圏ではコロナ禍に伴う消費の停滞などで、20年8月から12月まで5カ月連続でインフレ率がマイナスとなっていた。プラスに転じたのはドイツで付加価値税(VAT)減税が12月に終了したことや、低迷していた原油価格の上昇、インフレ率算出の際の各品目のウエイト(重要度)が1月から変更されたことが要因だ。

これらは一時的な物価上昇材料で、工業製品の上昇率が前月の1.0%から0.3%に縮小するなど物価の基調は依然として弱い。欧州中央銀行(ECB)が金融政策で重視する基礎インフレ率(価格変動が激しいエネルギー、食品・アルコール・たばこを除いたインフレ率)は0.9%で、前月を0.7ポイント下回った。

主要国はドイツが2.0%、フランスが1.4%、スペインが1.2%、イタリアが0.6%。ギリシャは2.0%下落と、圏内で唯一マイナスだった。

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