ロシア中銀が追加利上げ、政策金利5%に

ロシア中央銀行は23日の金融政策決定会合で、主要政策金利の7日物入札レポ金利を4.5%から0.5ポイント引き上げ、5%とすることを決めた。利上げは2会合連続。市場は0.25ポイントの上げ幅を予想していた。通貨安や需要の急速な伸びを受けてインフレが高進していることから大幅な追加利上げに踏み切った。

同国の3月のインフレ率は前月を0.1ポイント上回る5.8%に拡大した。通貨ルーブル安に伴う輸入品価格の高騰に加え、内需の回復に対し一部のセクターで人手不足などにより供給が追い付いていないことが大きい。インフレ率の上昇は10カ月連続で、昨年5月からの上げ幅は計2.8ポイントに達する。中銀は2022年年央に目標値の4%近くに戻るとみている。

中銀によると、主に小売業とサービス業で多くの企業の生産性がコロナ禍以前の水準に回復、またはそれを上回るかしており、景気回復のペースを速めている。輸出産業も需要が伸びる見込みで、今年の経済成長率はコロナ前と同レベルの3~4%に戻る見通しだ。

中銀は声明で、需要の急速な回復と新型コロナ再拡大に伴う規制強化、米国の経済制裁などの外部リスクがインフレ圧力を増す可能性があると指摘。行き過ぎた物価上昇の抑制と経済振興を両立させる「中立的」な金融政策への早期の移行が必要であるとし、さらなる追加利上げを行う可能性を示唆した。

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