欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2021/5/3

EU情報

1~3月のユーロ圏GDPは0.6%減、2四半期連続マイナス成長に

この記事の要約

EU統計局ユーロスタットが4月30日に発表した2021年1~3月期のユーロ圏の域内総生産(GDP、速報値)は実質ベースで前期比0.6%減となった。新型コロナウイルス感染拡大を受けて多くの国でロックダウン(都市封鎖)が続き […]

EU統計局ユーロスタットが4月30日に発表した2021年1~3月期のユーロ圏の域内総生産(GDP、速報値)は実質ベースで前期比0.6%減となった。新型コロナウイルス感染拡大を受けて多くの国でロックダウン(都市封鎖)が続き、個人消費などが低迷した影響で落ち込んだ。マイナス成長は2四半期連続で、再び景気後退入りした。(表参照)

下げ幅は20年10~12月の0.7%をわずかながら下回った。前年同期比では1.8%減。EU27カ国ベースのGDPは前期比0.4%減、前年同期比1.7%減となっている。

欧州では同期に、変異した新型コロナウイルスの感染が拡大し、経済・社会活動の制限が厳格化された。このため個人消費が落ち込み、前期に続くマイナス成長となるのが確実視されていた。景気後退入りは20年4~6月期以来。

主要国ではドイツが前期比1.7%減。輸出が上向いたが、個人消費の停滞が直撃し、

3四半期ぶりのマイナス成長に転落した。このほかイタリアが0.4%、スペインが0.5%の幅で落ち込んだ。

 一方、フランスは0.4%増と、前期の1.4%減から改善した。3度目のロックダウンに突入したのが3月末で、前期ほど経済・社会活動の制限が厳しくなかったため、個人消費が0.3%増加。設備投資も2.2%増となった。

 EUでは遅れていた新型コロナワクチンの接種が加速しつつあり、フランスが外出・営業制限の段階的緩和を打ち出すなど、今後は経済活動の再開が進む見通しだ。このため、4~6月期はプラス成長に復帰するとの見方が広がっている。