デンマーク、J&J製ワクチンの接種を中止

デンマーク政府は3日、米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)製の新型コロナウイルスワクチンの接種を中止すると発表した。接種後に血栓が生じる事例が確認されていることから、国内での接種プログランから同ワクチンを除外する。J&J製ワクチンの接種を取りやめるのは世界で初めてだ。

EUの欧州医薬品庁(EMA)は4月20日、J&J製ワクチンについて、血栓と因果関係があるとしながらも、接種による利点がリスクを上回るとして、域内での接種を認める方針を打ち出していた。

しかし、デンマーク保健当局は「利点は副反応のリスクを超えるものではない」として、接種中止を決めた。国内で65歳以上の人の大半が少なくとも1回のワクチン接種を受けるなど接種が進み、新型コロナ感染状況が落ち着きつつあることも考慮し、拙速にJ&Jのワクチンを使用する必要がないと判断したことも背景にある。

デンマークは4月、同様の副反応が報告されている英アストラゼネカ製ワクチンの使用を中止したばかり。J&J製ワクチンについては、まだ接種を開始しておらず、当局がEMAの判断を踏まえながら接種の可否を決定することになっていた。

今回の決定により、投入できるワクチンはファイザー、モデルナ製の2種に限られる。同国が調達することになっていた新型コロナワクチンの3分の1程度をJ&J製が占めるため、接種計画は最大4週間遅れる見通しという。

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