英政府は12日、高級食材フォアグラの国内での販売を禁止する方針を打ち出した。動物福祉(アニマルウェルフェア)強化の一環で、フカヒレの輸出入も禁止する。関連法案を提出し、数カ月以内に可決することを目指す。
フォアグラはガチョウやアヒルに強制給餌し、肝臓を肥大させて作る手法に動物虐待との批判が多い。フカヒレもサメのヒレだけを切り落とし、残りを投棄するサメ漁が残酷として、世界的に規制する動きが出ている。
英政府は動物福祉向上を目的した複数の法案を提出する予定で、その中にフォアグラ、フカヒレ規制を盛り込む。このほか、屠殺や肥育を目的とした生きた動物の輸出、狩猟で仕留めた貴重な野生動物の剥製など記念品(トロフィー)の輸入、霊長類をペットとすることなども禁止する。
英国は古くから動物愛護の精神が根付いており、動物福祉の向上に積極的だが、これまではEUに加盟していたため、独自の規制は難しかった。EU離脱による主権回復を活かし、動物を「感受性のある生命」と正式に認定した上で、一連の規制を実施する方針だ。