VW傘下のランボルギーニ、投資会社が買収提案

スイスの投資会社クアンタム・グループが英同業セントリクスと共同で、独フォルクスワーゲン(VW)グループの高級スポーツ車部門「ランボルギーニ」の買収に乗り出している。業界紙アウトモビルボッヘによると、両社はVW側に送った趣意書で、75億ユーロでの買収を提案した。VWは拒否の姿勢を示している。

クアンタムはVWのオーナー一族に近い投資家のレア・スターク・ラジッチ氏が設立した企業。同氏はVWの監査役会長を務めたフェルディナント・ピエヒ氏の息子、アントン・ピエヒ氏と2年前にスポーツ車ブランド「ピエヒ・オートモティブ」を設立していた。

クアンタム側はランボルギーニをクリーンな駆動装置の看板に育て上げることを買収の狙いと説明。趣意書には◇ランボルギーニの雇用を5年間維持する◇ランボルギーニの買収後はVWと戦略的提携を結ぶ◇VWの本社所在地ニーダーザクセン州に電池と電池セルの開発・生産会社を設立し、クアンタム外部の企業とも協業する――といった提案が盛り込まれている。

VWのヘルベルト・ディース社長は昨年、ランボルギーニを手放す考えを表明したが、監査役会に拒否された経緯がある。同ブランドを統括するVWの高級車子会社アウディは「ランボルギーニは売りに出していない」として、買収提案に応じない考えを示した。