ロシア中央銀行は11日の金融政策決定会合で、主要政策金利の7日物入札レポ金利を5%から0.5ポイント引き上げ、5.5%とすることを決めた。利上げは3会合連続。物価上昇圧力が予想を超えて強まっていることから、追加利上げに踏み切った。15日付で新金利を適用する。
同国の5月のインフレ率は前月を0.5ポイント上回る6%に拡大した。内需の回復に供給が追い付かず、企業がコストの増加を価格に転嫁していることが大きい。インフレ率が6%を超えるのは2016年10月以来で、昨年5月からの上げ幅は計3ポイントに達した。中銀は目標値の4%近くに戻る時期をこれまでの2022年半ばから下半期に引き下げた。
中銀によると、多くの業種で企業の生産性がコロナ禍以前の水準を上回っている。輸出産業も世界経済の見通し改善を受けて需要が伸びており、4~6月期の経済成長率はコロナ前と同レベルの3~4%に戻る見通しだ。 中銀は声明で、内外の需要の急速な回復、それに伴う供給不足などでインフレ圧力が増す可能性があると指摘。インフレ目標からの「長期的な逸脱」を招きかねないとして、さらなる追加利上げを行う可能性を示唆した。