米ビザ、スウェーデンのフィンテック企業を買収

クレジットカード大手の米ビザは24日、スウェーデンのフィンテック企業で、オープンバンキングのプラットフォームを手がけるティンクを買収することで合意したと発表した。買収額は18億ユーロ。同分野の需要増大を見込み、収益源拡大のため買収を決めた。

ティンクは2012年に創業の新興企業。金融機関が顧客のデータを共有し、複数の金融機関の口座情報をひとつに集約して一括表示できるようにするといったオープンバンキングのプラットフォームを開発、運営している。欧州の顧客は3,400社を超える。

EUでは同分野の健全な競争を促進するため、金融機関が保有する顧客データにティンクなど第三者がアクセスし、オープンバンキング・サービスを提供できるようにするルールがある。このためティンクは大きな成長が期待できることから、ビザは買収に踏み切った。ビザのネットワークにもティンクのプラットフォームを活用する方針だ。

ビザは20年、ティンクと同業の米プレイドを53億ドルで買収することで合意したが、米司法省が競争上の問題があるとして差し止めた経緯がある。ティンクの買収はEUでも同様の問題に直面する可能性があるが、ビザは欧州でオープンバンキングのプラットフォームを提供している企業が440社を超えていることから、実現に向けた障害はないとしている。

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