6月のユーロ圏インフレ率、1.9%に縮小

EU統計局ユーロスタットは6月30日、ユーロ圏の同月のインフレ率(速報値)は前年同月比1.9%だったと発表した。前月の2.0%から縮小したものの、欧州中央銀行(ECB)が目標とする「2.0%未満で、その近辺」の水準を維持している。(表参照)

ユーロ圏のインフレ率は、コロナ禍による個人消費停滞の影響で、20年12月まで5カ月連続でマイナスとなっていたが、低迷していた原油価格の上昇やドイツで付加価値税(VAT)減税が12月に終了したことなど一時的要因で、1月からプラスに転じ、伸び率も拡大が続いていた。6月の縮小は、エネルギー価格の上昇がやや鈍化したのが主因。

インフレ率はドイツのVAT引き上げの影響が年内は続くことなどから、再び拡大するとの見方が有力だ。ただ、ECBが金融政策で重視する基礎インフレ率(価格変動が激しいエネルギー、食品・アルコール・たばこを除いたインフレ率)は0.9%にとどまっており、物価の基調は依然として弱い。

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