仏自動車大手ルノーは6月28日、電気自動車(EV)用電池の生産で中国系の車載電池大手エンビジョンAESCグループ、仏新興企業ヴェルコールと提携すると発表した。エンビジョンAESCは最大20億ユーロを投じ、仏北部にEV用電池の大型工場を開設し、ルノーに提供する。
エンビジョンAESCは中国のグリーンエネルギー大手遠景科技集団(エンビジョングループ)の子会社。仏北部ドゥエにあるルノーのEV生産拠点の近くにEV用電池工場を建設し、2024年に清算を開始する。当初の生産能力は9ギガワット時(GWh)だが、30年までに24 GWhまで拡大する計画だ。
ヴェルコールは仏シュナイダーエレクトリック、ITコンサルタント大手キャップジェミニなどが出資する企業。ルノーは同社に20%を出資し、EV用高性能電池の生産で提携する。ヴェルコールは仏国内に生産能力16 GWhの大型工場を開設。26年からルノーに10 GWhを供給する。30年には供給を20 GWhに拡大する予定だ。研究開発センターも共同で設立する。
ルノーは現在、主に韓国のLG化学系電池会社からEV用電池を調達しているが、EV増産に乗り出していることから、2社との提携によって供給体制を強化する。30日にはルノー・ブランドの乗用車の9割をEV化すると発表。25年までに新たに10車種の新型EVを投入する方針を打ち出した。