英が24年9月末までに石炭火力廃止へ、目標を1年前倒し

英政府は6月30日、従来型の石炭火力発電を2024年9月末までに廃止すると発表した。二酸化炭素(CO2)回収・貯留(CCS)技術など温室効果ガス排出削減措置が取られていない発電所について、これまで廃止時期を25年10月としていたが、1年前倒しする。英国は50年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする目標を掲げており、達成に向けて発電部門の脱炭素化を加速させる。

英国では風力をはじめとする再生可能エネルギーの普及が急速に進んでおり、20年には電源に占める割合が43%に達した。これに対し、石炭火力は12年に発電量の約40%を占めていたが、20年には1.8%まで低下。昨年は石炭火力の電力を使わない時間が5,000時間を超えた。

英国は11月にグラスゴーで開催される第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)の議長国を務めることになっており、野心的な目標を掲げて国際社会に温暖化対策への取り組みをアピールする狙いがある。

トレビリアン・エネルギー気候変動担当相は声明で「石炭は200年前に産業革命の原動力となった。しかし、この汚れた燃料をエネルギーシステムから完全に排除すべき時がきた」とエネルギー転換の必要性を強調。そのうえで「英国は石炭火力を過去のものとし、脱炭素化の道筋をリードすることで、世界に明確なシグナルを送っている」と述べた。

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