独バイオ医薬品企業キュアバックは6月30日、同社が開発している新型コロナウイルス用ワクチンの治験の最終報告を発表し、有効率が48%にとどまったことを明らかにした。中間報告の同47%を上回ったものの、すでに接種が行われている他社の製品を大幅に下回っている。同社は認可手続きの継続に向けEUの欧州医薬品庁(EMA)と協議していることを明らかにしたものの、仮に認可を受けたとしても需要は小さいとみられる。
ドイツ政府は2022年の接種計画に同社製ワクチンを組み込んでいないもようだ。30日の閣議への参加者から得た情報としてロイター通信が報じたところによると、政府が同年に調達するワクチンは計2億400万回分で、うちファイザー・ビオンテック連合の製品が8,440万回分、モデルナ製が3,180万回分、ジョンソン・エンド・ジョンソン製が1,830万回分を占める。このほか現時点でEMAの認可を受けていないサノフィ製を4,270万回分、ノバックス製を1,630万回分、ヴァルネヴァ製を1,100万回分確保する。キュアバックが開発した「CVnCoV」はアストラゼネカの製品と同様、リストに含まれていない。
キュアバックはCVnCoVの有効率が低くなった原因の1つとして、変異株の出現を挙げている。従来株を念頭に同ワクチンを開発してきたためだ。同社はこれを踏まえ現在、新型コロナの第2世代ワクチンを英製薬大手グラクソ・スミスクライン(GSK)と共同開発している。
