テレノールがミャンマー携帯事業を売却、規制強化で撤退決断

ノルウェーの通信大手テレノールは8日、ミャンマーの携帯電話事業を1億500万ドル(約110億円)で売却すると発表した。2月に国軍がクーデターを起こして以降、当局がインターネット接続を制限するなど事業環境が悪化しており、収益の改善が見込めないことから撤退を決めたとみられる。

テレノールは2014年にミャンマーに進出。人口の約3分の1にあたる約1,800万人が同社のサービスを利用していたが、レバノンの投資会社M1グループに売却する。テレノールのシグベ・ブレッケ最高経営責任者(CEO)は「ここ数カ月、規制や人々の安全、コンプライアンスなどの面でより困難な状況になった。あらゆる選択肢を検討した結果、売却が最善だと判断した」とコメントした。

国軍は市民の抗議活動を抑え込むため、クーデター直後からフェイスブックなどSNSを規制し、その後、携帯通信網を介したインターネット接続を遮断した。テレノールはこうした状況に抗議し、通信の自由を尊重するよう訴えたが、事業環境の悪化により、今年1~3月期にはミャンマーの携帯通信事業が65億クローネ(約810億円)の減損損失を計上していた。

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