ユーロ圏鉱工業生産、5月は1%低下

EU統計局ユーロスタットが14日に発表したユーロ圏の5月の鉱工業生産指数(季節調整済み、速報値)は前月比で1.0%低下し、3カ月ぶりのマイナスとなった。半導体など生産資材がサプライチェーンの混乱で不足していることが響いた。(表参照)

分野別では耐久消費財が1.6%上昇したが、中間財が0.2%、エネルギーが1.9%、資本財が1.6%、非耐久消費財が2.3%の幅で低下した。

EU27カ国ベースの鉱工業生産指数は0.9%低下した。主要国はドイツが0.6%、フランスが0.3%、イタリアが1.5%、スペインが0.8%の幅で落ち込んだ。

製造業の需要は世界的に復調しているものの、半導体や鉄鋼、プラスチック、木材など資材が不足し、生産への影響が出ている。とくに半導体不足は深刻で、独自動車工業会は先ごろ、2021年の生産台数が当初の予定を40万台下回る360万台にとどまるとの見通しを示していた。

5月の鉱工業生産指数は、前年同月比ではユーロ圏が20.5%、EUが21.2%の上昇となったが、上げ幅はそれぞれ前月の39.4%、38.8%から縮小した。

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