スウェーデン自動車大手のボルボ・カーは21日、中国の合弁会社を完全子会社化することで、親会社の中国自動車大手、浙江吉利控股集団と合意したと発表した。年内の新規株式公開(IPO)をにらみ、大きな柱である中国事業の経営権を完全に握ることで企業価値を高める狙いがある。
完全子会社化するのは、竜江省大慶市を本拠とする生産会社と上海の研究開発会社。浙江吉利が保有する株式50%を取得し、持ち株比率を100%に引き上げる。取引価格は公表していない。
株式取得は2段階で実施され、中国で乗用車生産会社の外資規制が撤廃される2022年に開始。23年に完了する。これによってボルボは大慶市、成都市の工場と中国の販売会社、上海の研究開発施設を傘下に収める。
ボルボは5月、年内のIPOを計画していることを明らかにしていた。同社にとって中国は最大の市場で、21年1~6月期の販売台数は世界全体の約4分の1に相当する9万5,252台に上る。