伊高級ブランドのゼニア、米でSPAC上場へ

伊高級ブランドのエルメネジルド・ゼニアは19日、米ニューヨーク証券取引所に上場すると発表した。特別買収目的会社(SPAC)との合併を通じて上場する。8億8,000万ドルを調達し、事業拡大を進める計画だ。

SPACを活用した上場は、投資家などがSPACを設立し、上場させた上で他の企業と合併するか買収し、その企業も上場企業になることができるようにするというもの。SPACは事業実態がないため上場審査のハードルが低く、簡単に上場できる。

ゼニアはスイス金融大手UBSグループのエルモッティ前最高経営責任者(CEO)が率いる投資会社が米国に設立したSPACと合併し、年内にニューヨーク証券取引所に上場する。ゼニア一族が合併で誕生する新会社の株式62%を保有し、経営権を握る。

ゼニアは1910年に繊維会社として設立した企業。1960年代から男性用高級スーツで知られるようになり、現在はメンズウエアを主力とする高級ブランドとなっている。同族経営では外部からの資金調達が難しいことから、SPACとの合併による上場に踏み切った。調達する資金は中国、米国での事業拡大、他のブランドの買収などに充てる。

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