スイスの重電大手ABBは20日、自律走行搬送ロボット(AMR)の有力メーカーであるスペインのASTIモバイル・ロボティクスを買収することで合意したと発表した。ロボットを利用した自動化ソリューション分野の事業基盤拡充が狙い。買収金額は非公表だ。今夏の買収手続き完了を見込む。
ASTIは1982年の設立。従業員数は300人、売上高は約5,000万ユーロにとどまるもののAMR分野で高い技術を持つ。例えば同社のソフトウエアを利用することで、数百台の輸送機械を同時かつ人や生産設備に衝突することなしに統制できる。2015年以降、年間約30%のペースで売り上げが拡大している。
ABBは買収後に、スペインのブルゴスにあるASTIの本社をAMR事業の統括拠点とするほか、同国の生産能力を大幅に拡大する。また、上海に来年開設するロボット工場をアジアのAMR事業の中核拠点とし、中国市場の開拓を加速する。