欧州委員会は4日、米バイオ医薬品会社ノババックスが開発している新型コロナウイルスワクチンを購入する契約を承認したと発表した。2023年までに最大2億回分を購入する。EUによる新型コロナワクチン購入契約は7件目となる。
ノババックスが開発中のワクチンはタンパク質をベースとしたタイプ。欧州医薬品庁(EMA)による「逐次審査」の対象となっている。9月末までに承認される見通しだ。EUは早ければ10~12月期から最大1億回分を購入する。さらに、追加で1億回分を購入する権利を持つ。
EUのワクチン接種は米ファイザーと独ビオンテックの連合、モデルナのメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンが軸となっている。デルタ株の感染が拡大する中、安全策としてワクチンの種類と調達先を拡大するため、ノババックスと契約した。
欧州委は20年12月にノババックスと最大2億回分のワクチン調達に向けた予備的交渉を終えたが、正式契約には至っていなかった。
EUはこれまでにファイザー・ビオンテック連合、モデルナ、英アストラゼネカ、仏サノフィと英グラクソ・スミスクライン(GSK)の連合、米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)傘下のヤンセンファーマ、独キュアバックとワクチン購入契約を締結済み。うちサノフィ・GSK連合、キュアバックのワクチンは承認されておらず、EMAが逐次審査を行っている。ノババックスとの契約で、合わせて45億7,000万回分を確保した形となる。