米飲料・食品大手ペプシコは3日、「トロピカーナ」など北米のジュース事業を仏投資ファンドのPAIパートナーズに売却することで合意したと発表した。糖分が多い飲料の需要が北米で減っており、成長が見込めないと判断したためで、売却額は33億ドルに上る。
売却するのは「トロピカーナ」「ネイキッドジュース」などのブランド。PAIと共同で設立する合弁会社に移管される。ペプシコは合弁会社の株式39%と、北米での独占販売権を保有する。PAIはペプシコが欧州で展開するジュース事業の一部を取得する権利を持つ。2021年末または22年初めの売却手続き完了を見込む。
北米では健康志向の高まりから糖分が多いジュースの販売が減少している。ペプシコの2020年の売上高は約703億ドルで、うち売却対象事業は約30億ドルにとどまった。同社は健康飲料・食品など成長が期待できる事業に集中するため、今回の売却を決めた。
PAIは飲料・食品事業への投資を強化しており、16年にはネスレのアイスクリーム事業を買収し、傘下の英R&Rアイスクリームと統合した。