ベルギーが外食規制廃止、ワクチン接種進展で

ベルギー政府は20日、成人の約70%が新型コロナウイルスのワクチン接種を完了したことを受け、レストランやカフェなどに対する規制を廃止すると発表した。経済活動の正常化に向けた規制緩和計画の一環で、9月1日から従来の時間帯での営業が可能になる。ただし、首都ブリュッセルは一部の地域でワクチン接種率が基準に達していないため、適用が見送られる。

ベルギーではワクチン接種が順調に進み、感染力の強いデルタ型変異ウイルスが広がる中でも入院患者数が減少しているとして、夏に入り段階的に規制緩和を進めてきた。レストランやカフェ、パブなどではこれまで、1つのテーブルに着席できる人数が最大8人に制限され、営業可能な時間帯は早朝5時から深夜1時となっていたが、9月からはこれらの制限が撤廃される。ただし、店内を移動する際は引き続きマスクを着用しなければならない。ナイトクラブやダンスホールに関しては、入場者数や換気に関するルールを定めたうえで、10月1日から営業を認める方針を示している。

一方、イベントについても9月1日から規制が緩和される。最大200人までの屋内イベントと、最大400人までの屋外イベントでは、原則としてマスク着用や社会的距離の確保などのルールが廃止される。これらの上限を超えるイベントについては「コビット・セイフ・チケット」のシステムが適用され、ワクチン接種完了から2週間経過した人や、直近の検査で陰性が確認された人のみ参加が可能となる。

ドゥ=クロー首相は記者会見で「多くの地域ですでに成人の約8割がワクチン接種を完了しており、経済活動の正常化に向けてさらに一歩前進することができる」と強調。そのうえで、未接種者に対して早急に接種するよう促すとともに、医療従事者に対し接種を義務化する方向で調整を進めていることを明らかにした。

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