EU統計局ユーロスタットが12日に発表したユーロ圏の6月の鉱工業生産指数(季節調整済み、速報値)は前月比で0.3%低下し、2カ月連続でマイナスとなった。コロナ禍に伴う経済・社会活動の制限が緩和され、経済正常化が進んで3月から改善していたが、最大の経済国であるドイツで半導体など生産資材がサプライチェーンの混乱で不足していることで、ここにきて再び低迷している。(表参照)
分野別では中間財と耐久消費財が0.1%、非耐久消費財が1.6%上昇したが、エネルギーが0.6%、資本財が1.5%の幅で低下した。
EU27カ国ベースの鉱工業生産指数は0.2%低下した。主要国はドイツが1.0%低下し、2カ月連続でマイナスとなった。フランスは0.4%、イタリアは1.0%、スペインは0.1%の幅で伸びた。
鉱工業生産指数は前年同月比ではユーロ圏9.7%、EUが10.5%の上昇となったが、上げ幅はそれぞれ前月の20.6%、21.3%から大きく縮小した。