トルコ中銀が5会合連続で据え置き、インフレ抑制と景気回復維持を両立

トルコ中央銀行は12日の金融政策決定会合で、主要政策金利である7日物レポ金利を19%に据え置いた。金利据え置きは5会合連続。食料品の値上がりなどを受けてインフレ率が急上昇しているものの、景気回復に冷や水を浴びせる懸念から追加利上げは見送った。

同国のインフレ率は7月に19%となり、上げ幅は前月から1.5ポイント拡大した。通貨リラ安に加え、世界的な異常気象で農産物の輸出国が影響を受け、食糧輸入価格が高騰していることが大きい。昨年9月(11.8%)からの上げ幅は計7.2ポイントに達している。        

中銀は声明で、輸入品価格の上昇や、景気回復に伴う需要の伸び、一部のセクターでの供給制限などによりインフレ期待は依然として高いと指摘。一方、金融引き締めが国内の信用や需要に与える影響は鈍化しているとし、政策金利の維持を決めたと説明した。

今後については、インフレ率を5%程度とする中期目標の達成に向けて「利用可能なすべての措置をとる」とコメント。ディスインフレ効果を維持するため、政策金利は引き続きインフレを上回る水準で決定することを明言した。

同国のエルドアン大統領は早期の金融緩和を求めているが、インフレ率と政策金利がほぼ一致している現状では利下げの余地は無いに等しい。オランダ金融大手ING銀行のエコノミストであるムハメット・メルカン氏は、インフレの鈍化が見込まれる10~12月期に中銀は1ポイントの利下げに踏み切ると予想しつつも、インフレ率の推移によっては2022年にずれ込む可能性を指摘した。

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