欧州委員会が8月30日に発表したユーロ圏の同月の景況感指数(ESI、標準値100)は117.5となり、前月の119.0から1.5ポイント下落した。悪化は7カ月ぶり。EU27カ国ベースのESIも1.5ポイント低下の116.5に落ち込んだ。
ユーロ圏とEUのESIは、欧州で新型コロナウイルスワクチンの接種が進み、経済が正常化に向かっていることを受けて、2月から6カ月連続で改善し、7月は調査を開始した1985年以降で最高の水準に達していた。8月の悪化はデルタ株の流行で感染が再拡大していることや、半導体など生産資材のサプライチェーン混乱による不足が反映されたもようだ。
ユーロ圏のESIを分野別でみると、製造業が0.8ポイント、サービス業が2.1ポイント、消費者が0.9ポイントの低下となった。小売業は0.2ポイント、建設業は1.5ポイントの幅で上昇した。
主要国は軒並み悪化した。下げ幅はフランスが4.5ポイント、イタリアが1.9ポイント、スペインが1.2ポイント、ドイツが0.3ポイントとなっている。