ポルシェがマレーシアに工場開設、中国にはR&D拠点

独フォルクスワーゲン(VW)の高級乗用車子会社ポルシェは8月30日、アジアの事業基盤を大幅に強化する計画を発表した。中国に研究開発(R&D)拠点、マレーシアに工場を開設する。

マレーシアでポルシェ車の輸入・販売を手がけるサイム・ダービーと共同で現地に組み立て工場を設け、来年から生産を開始する。ポルシェが欧州域外で生産するのは初めて。同国への供給が目的で輸出しないことから小規模生産となる。ポルシェの2021年のマレーシアでの販売前年比9%増の400台だった。

市場規模が小さいにも関わらず同国で現地生産に踏み切るのは、関税が高いため。輸入車に対する抑制を強める国が増えていることから、同社はマレーシアで現地少量生産のノウハウを獲得し、将来的に他の国で活用できるようにする。

中国は6年前からポルシェにとって最大の市場となっている。昨年の現地販売台数は約8万9,000台で、全体の約3分の1を占めた。これを踏まえて同社は来年、上海に研究開発拠点を開設する。同国顧客特有のニーズにきめ細かく対応できるようにする狙いがある。15人体制で立ち上げ、コネクテッドカー、自動運転、デジタルサービスなどのテーマに取り組む。

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