商船三井と丸紅、二元燃料型メタノール輸送船の建造でロシア側と覚書

商船三井(MOL)と丸紅は8日、ロシア連邦極東・北極圏発展省、国営の開発対外経済銀行VEB、国営VTB銀行、複合企業のESNグループと、環境負荷の低いメタノールと低硫黄重油の両方を燃料にできる二元燃料型のメタノール輸送船の建造と運航・活用の共同検討に向けた覚書を結んだと発表した。覚書は2日から4日までウラジオストクで開催された第6回東方経済フォーラム(EEF)の席上で交わされた。

ESNが極東アムール州で生産を計画する天然ガス由来のメタノールの海上輸送に際し、同メタノールを船舶燃料としても活用することにより、輸送時の有害物質排出量を削減する。具体的には、硫黄酸化物(SOx)を最大99%、粒子状物質(PM)を最大95%、窒素酸化物(NOx)を最大80%、二酸化炭素(CO2)を最大15%削減できるという。

メタノールは常温常圧で液体のため、海上輸送コストが低く、陸上では液体用の一般的なタンクを活用できる利点がある。将来的に東アジア地域で船舶燃料としての利用が増えれば、ESNが生産するメタノールの需要増につながる可能性もあり、MOLと丸紅は同燃料の供給事業展開も見据えて検討をしていく。

MOLは17隻からなる世界最大のメタノール専用船隊を持つ。2016年からは世界で初めてメタノール二元燃料船の運航を開始した。

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